色Lab(Lab*)は、「見た目の色の違い」を数値で正確に扱うための色表現方法です。
RGBやCMYKは知っていても、「Labって何?」「なぜプロの現場で使われるの?」と疑問に感じる人は少なくありません。
この記事では、色の専門知識がなくても理解できるように、Labの意味・読み方・数値の見方から、RGBやCMYKとの違い、ΔE(色差)による実務活用までをやさしく解説します。
色管理やデザイン、印刷に関わる方はもちろん、「色 lab 意味」で調べている初心者の方にも役立つ内容です。
色Labとは?読み方・用途と検索意図を解説

色Lab(エルエービー/ラブと表記されることもあります)は、人の視覚に近い形で色を数値化できる色空間です。
単に色を名前で表すのではなく、「どれくらい明るいか」「どの程度赤み・黄みがあるか」を数値で示せるため、色の違いを客観的に扱えるのが特徴です。
デザイン制作、印刷物の色管理、製造業での製品検査など、わずかな色差が品質や印象を左右する場面で広く使われています。
たとえば「見た目は似ているが本当に同じ色なのか」「前回の製品と比べて色ブレはどの程度か」といった判断を、人の感覚だけに頼らず行える点が強みです。
「色 lab 意味」で検索する人の多くは、
- Labって何の略?どんな考え方の色なの?
- RGBやCMYKとどう使い分ければいい?
- 数字が並んでいるけど、どこを見れば色が分かるの? といった基礎的かつ実用的な疑問を持っています。本記事では、そうした疑問に答えるため、専門知識ゼロでも理解できるように背景から順を追って解説します。
Labの意味と色空間の基本概念
Labは、正式にはLab*表色系と呼ばれ、国際照明委員会(CIE)が定義した国際標準の色空間です。
最大の特徴は、数値の変化が人間の色の感じ方に近くなるよう設計されている点にあります。
- L(Lightness):色の明るさ(暗い〜明るい)
- a:赤〜緑の方向性
- b:黄〜青の方向性
という3つの軸で、あらゆる色を立体的な座標として表します。
これにより、色同士の距離=色差を直感的かつ定量的に把握できます。
人が感じる色の差と数値の差がほぼ比例するため、後工程の色比較や品質管理にそのまま活用できる点が、Lab色空間が重視される理由です。
Lab色空間の構造と数値の見方

L・a・b成分の意味とXYZとの関係
Labは、CIE(国際照明委員会)が定義したXYZ表色系を基礎にして作られています。
XYZは、光の三刺激値(X・Y・Z)によって色を物理量として表す仕組みで、測定や理論面では非常に正確ですが、そのままでは人が感じる色の差と数値の差が一致しにくいという課題がありました。
そこで考案されたのが、XYZを人間の視覚特性に合わせて再配置したLab色空間です。
Labでは、色を「明るさ」と「色味の方向」に分解することで、直感的に理解しやすい構造になっています。
- L(明度):0(完全な黒)〜100(完全な白)を基準とし、色の明るさだけを表します。色味に関係なく明暗を比較できるため、写真や印刷物の階調管理に役立ちます。
- a成分:プラス方向が赤、マイナス方向が緑を示し、赤み・緑みの強さを数値で表現します。
- b成分:プラス方向が黄、マイナス方向が青を示し、黄み・青みの傾向を把握できます。
この3成分を組み合わせることで、「明るさは同じだが色味が違う」「色相は近いが明度が異なる」といった違いを明確に区別できます。
XYZは物理的な光の量を基準にした色表現ですが、Labはそれを人がどう見て感じるかという視点に変換した色空間であり、色差評価や品質管理に適している理由もここにあります。
他の色モデルとの違いとLabの特長

RGB・CMYK・マンセルとの比較と変換時の注意
色を扱う際によく使われる代表的な色モデルには、RGB・CMYK・マンセルなどがあります。
それぞれ目的や前提が異なるため、役割を理解して使い分けることが重要です。
- RGB:ディスプレイ向けの色モデルで、光の三原色(赤・緑・青)を組み合わせて色を表現します。Webデザインやデジタル画像では標準的ですが、表示環境によって見え方が変わりやすい特徴があります。
- CMYK:印刷向けの色モデルで、シアン・マゼンタ・イエロー・ブラックのインク量によって色を再現します。紙質や印刷条件の影響を受けやすく、画面上の色と完全に一致しないことも珍しくありません。
- マンセル:色相・明度・彩度という人の感覚に近い三要素で体系化された色体系で、教育や色彩設計の分野でよく使われます。ただし、数値計算や色差評価には向いていません。
これらに対しLabは、特定の機器や出力環境に依存しない色表現ができる点が大きな特長です。
RGBやCMYKが「どう表示・印刷するか」を基準にしているのに対し、Labは「人がどう見えるか」を基準にしているため、
- 画面と印刷の色差確認
- 異なるモニター・印刷条件間での色比較
- 時間やロット違いによる色ブレの管理
といった用途に強みを発揮します。
特に、最終出力が異なる複数の工程をまたぐ場合、共通の判断軸としてLabを使うことで色管理が安定します。
ただし、RGBやCMYKからLabへ変換する際は、ICCプロファイルや照明条件、基準白色点によってLab値が変化する点に注意が必要です。
同じRGB値でも、条件が違えばLab数値が完全に一致しないことがあるため、実務では変換条件を揃えた上で比較することが重要です。
実務でのLab活用:測定・画像処理・色見本管理

Labは以下のような実務シーンで活用されています。
いずれも「感覚的な色判断」を避け、数値に基づいた共通認識を作ることが目的です。
- 色差計による測定:製品色のばらつき管理や出荷判定に使用されます。基準色のLab値と実測値を比較することで、ロットごとの色ブレや経年変化を客観的に把握できます。
- 画像編集:Photoshopなどの画像編集ソフトでは、Labモードを使うことで明度と色味を分離した補正が可能になります。RGBでは難しい微調整や、色かぶりの比較にも有効です。
- 色見本管理:印刷・塗装・素材開発の現場では、色名や見た目だけでなくLab値を併記することで、担当者や工程が変わっても同じ色を再現しやすくなります。
これらの場面に共通するのは、「見た目でどれくらい違うか」を数値で説明・共有できる点です。
感覚や経験に依存せず判断できるため、品質の安定化やトラブル防止につながり、Labが現場で重宝される大きな理由となっています。
ΔE(色差)と品質管理への応用

ΔEの種類と許容値・使い分け
ΔE(デルタ・イー)は、Lab空間上で2つの色がどれくらい離れているかを数値で示す指標です。
単に数式上の差ではなく、「人の目で見てどの程度違って感じるか」を定量的に表すために使われます。
そのため、品質管理や色校正の現場では欠かせない考え方となっています。
代表的な種類には、次のようなものがあります。
- ΔE*ab:最も基本的な色差計算式で、Lab空間上の距離を単純に算出します。計算が分かりやすく、基礎的な比較や教育用途で使われることが多い指標です。
- ΔE94:人の知覚特性をある程度考慮し、色相や彩度の違いによる影響を補正した方式です。印刷業界などで長く使われてきました。
- ΔE2000:最新かつ最も人間の視覚に近いとされる方式で、微妙な色差の評価に優れています。現在の品質管理では主流になりつつあります。
一般的な目安としては、
- ΔE ≈ 1以下:ほぼ判別不可。並べて見ても違いに気づきにくいレベル
- ΔE 1〜2:注意深く見ると分かる差。実務上は許容されることも多い
- ΔE 3以上:多くの人がはっきり違いを認識できる
とされます。
ただし、この基準はあくまで目安であり、業界・製品・用途によって許容値は大きく異なります。
たとえば高級印刷やブランドカラー管理ではΔE1以下が求められる一方、工業製品や部材レベルではΔE2〜3を許容範囲とするケースもあります。
目的に応じてΔEの種類と許容値を使い分けることが、実務での正しい活用ポイントです。
Lab関連ツールと変換方法の実例

Labはさまざまなツールで扱え、目的や作業環境に応じて使い分けられています。
専門機器から身近なソフト・Webツールまで幅広く対応している点も、Labが実務で定着している理由の一つです。
- 画像編集ソフト(Photoshopなど):Labカラーモードを使えば、明度(L)と色味(a・b)を分離して調整できます。色味を変えずに明るさだけ補正したり、逆に明度を固定したまま色相の違いを比較したりといった操作が可能です。
- 色差計・分光測色計:実物の色を直接測定し、Lab値として数値化します。製造業や印刷現場では、基準色とのΔEを算出して合否判定を行うなど、品質管理の中核を担うツールです。
- オンライン変換ツール(RGB↔Lab):専用ソフトがなくても、RGB値やHEX値を入力するだけでLab値を確認できます。簡易的な確認や学習用途に向いています。
例えば、RGB値をLabに変換してΔEを算出すれば、配色変更前後の色差を客観的に評価できます。
見た目では分かりにくい微妙な違いも数値で把握できるため、「どの程度変わったのか」「許容範囲内かどうか」を明確に判断できるようになります。
記事のまとめ
色Labとは、人の視覚に近い基準で色を数値化できる色空間であり、感覚に頼りがちな「色の違い」を客観的に扱える点が最大の特長です。
見た目の印象だけでは説明しにくい色差も、Labを使えば誰にでも共有できる数値として示せます。
- L・a・bの3軸で色を立体的に表現できる
- デバイスに依存せず、環境が違っても色を比較しやすい
- ΔEを用いることで、色差や品質基準を明確に管理できる
RGBやCMYKに比べるとやや専門的な色表現ではありますが、「色の違いを正しく伝えたい」「判断基準を数値で統一したい」という場面では欠かせない考え方です。
Labの基本構造と使いどころを理解しておくことで、デザイン・印刷・製造など幅広い分野で色に関する判断力が高まり、現場で信頼される大きな武器になります。

