学校で使う絵の具セットには黒が1種類しか入っていませんでしたが、実際にはさまざまな黒が存在するんです。
髪の毛も一見黒に見えますが、実はさまざまな色が混ざっています。
自然界で純粋な黒を見つけるのは難しいかもしれません。
絵を描くときに少し工夫して他の色と混ぜることで、より自然に近い多彩な黒を作り出すことができます。
この記事では、絵の具のチューブに頼らず、他の色を使って黒を作る方法を紹介します。
黒の作成方法
黒を作る方法を4つご紹介します。
- 青色と赤色と緑色を混ぜる
- 青色と茶色を混ぜる
- 緑色と赤色を混ぜる
- 紫色と緑色を混ぜる
それでは、一つずつ詳しく見ていきましょう。
青色と赤色と緑色を混ぜる
まずは青色、赤色、緑色を混ぜて黒を作りましょう。
絵の具は混ぜると鮮やかさを相殺し、色が濁る減法混色の特性があります。
この特性を活かして、暗く濃い黒色に近づけることができるんです。
一気に濃い色になると明るさを取り戻すのが難しいため、明るい色に少しずつ濃い色を混ぜるのが基本です。
しかし、今回は黒を作るので、順番は気にせずに混ぜて問題ありません。
パレットの上で思い切り青1:赤1:緑1の割合で混ぜてみてください。
青色と茶色を混ぜる
黒色は青色と茶色を混ぜることでも作れます。
どちらも暗く濃い色なので、混ぜるとさらに深みのある黒色になります。
青1:茶色1の割合で混ぜましょう。
深い紺色などの濃い青色を使うと、より深い黒に近づけることができます。
茶色もこげ茶などの濃い色を使うと、簡単に暗く濃い黒色を作ることができるんです。
この柔らかい黒は、山の影などの緑と土の交わる部分を表現するのに適しています。
絵の具のチューブの黒は無彩色(鮮やかさや色味がない色)なので、無機質な印象を与えがちに・・・。
そのような真っ黒な色をベタ塗りすると、絵が単調になりやすいです。
しかし、このような混色で作った少し色味のある黒を加えることで、複雑な色合いを表現できます。
緑色と赤色を混ぜる
次は緑色と赤色を混ぜて黒を作ってみましょう。
一見すると赤と緑で黒が作れるとは思えませんが、実際には可能です。
赤と緑は補色の関係にあり、並べるとお互いを引き立てますが、絵の具として混ぜると色が濁って灰色に近い黒になります。
これは、補色を混ぜることでお互いの鮮やかさが打ち消され、濁って暗くなるからです。
この特性を利用して黒を作りましょう。
赤色が含まれるので、暖かみのある影を表現するのに適しています。
例えば、人物や動物の影に使うのがおすすめです。
緑1:赤1の割合で混ぜてみてくださいね。
紫色と緑色を混ぜる
最後に、緑色と紫色を混ぜて黒を作ってみましょう。
先ほど赤と緑が補色関係にあるとお話ししましたが、実は紫と緑も補色の関係にあります(厳密には黄緑色と紫が補色関係になります)。
そのため、これら2色を混ぜると色が濁り、黒に近い色を作ることができるんですよ。
比率は紫1:緑1です。
紫と緑はどちらも青色を含んでいるため、混ぜると青みが強い黒ができます。
宇宙や夜空、深い海を描くのに最適です。
特に、深い海溝などのシーンにはぴったりですね。
この方法で作った黒は、神秘的な雰囲気を出すことができます。
まとめ
黒色は高級感を演出する効果があります。
また、落ち着いた雰囲気や重厚感を出すことも黒の特徴です。
同じアイテムでも背景色を黒にしたり、周囲に黒を配置することで、高級な印象を与えることができます。
スーパーの惣菜でも、お寿司やお刺身など値段が高めのものは高級感を出すために黒いパッケージに入っていることが多いですよね。
絵の中でも、描きたい対象の周りに黒を配置することで、同様に高級感や落ち着いたイメージを与えることができます。
このとき、チューブの黒よりも、他の色を混ぜた黒の方が絵に自然に馴染みやすくなりますよ。
しかし、無機質な感じを出したいデザイン画などには、チューブの黒が適しています。
黒にはさまざまな表情があり、奥深い色です。
黒を表す言葉も豊富で、「漆黒」や「涅色(くりいろ)」、「濡れ羽色」など、艶のある黒から濁った黒までさまざまあります。
絵を描くときに「この黒にはどんな色味が隠れているかな」と考えるのも面白いですよ。
ぜひ、あなた自身の理想の黒を作り出してみてください。