クリーム色は温かみを感じさせる色で、子供たちが遊ぶ施設や小児科など、穏やかな雰囲気を醸し出す場所での壁紙によく用いられます。
柔らかな雰囲気で他の色との相性が良く、組み合わせやすい特徴がありますが、典型的な絵具セットには含まれていないことが多いです。
白色は明るすぎる場合もあり、黄色は少し鮮やかすぎると感じられることがありますが、クリーム色はその中間で扱いやすい色です。
本記事では、基本的な12色セットの学童用絵具で、このやわらかな黄色系のクリーム色をどのように作るかを説明します。
カラーコーディネートの資格を持つ私が、クリーム色に関連する情報と共に作り方のコツをお伝えします。
クリーム色の作り方
クリーム色の作り方について、まずは基本となる作り方をお伝えします。
その後、異なる色を加えることで微調整する方法についてもご紹介していきます。
クリーム色を作る基本的な配合
クリーム色を作るには白色と黄色を組み合わせます。
その割合は白色が3に対して黄色が1となります。
白、すなわち無彩色は明るさは持つものの、色味を持たないため、少しずつ黄色を加えていくことで、くすむことなく淡いクリーム色を作り出すことができます。
白と黄色は明るい色のため、筆に残った他の色と混ざりやすくなるので、混色する前には筆を丁寧に洗浄し、水気を取り除くことが大切です。
黄色は本来鮮やかで視認性の高い色であり、強い刺激を感じさせますが、白を混ぜることで色味が抑えられ、より穏やかな印象のクリーム色が完成します。
この色は、優しさを表現するのに適しています。
赤を加えたクリーム色の調整法
基底となるクリーム色が手に入ったら、他色を少量投入してバリエーションを持たせてみましょう。まずは赤色での微調整を紹介します。
白と黄色を用いた基本配合に、わずかな赤を加えることで、ベージュがかったクリーム色を得ることができます。
配合比率は白3:黄1:赤0.1が目安です。
色を混ぜる際は、色の品数が多くなると絵具が濁った印象になります。
このため、基本のクリーム色に赤を加えることで、2色だけで作る場合と比べてやや濁った印象に変わります。
しかしその反面、色彩の多様性により絵具が他の色と馴染みやすくなるため、背景色などとの調和を図りたい場合には有効です。
目立たせたい部分には、色数を抑えたクリーム色を用いると良いでしょう。
それにより色濁りを抑え、他の色との馴染みが少なくなり、結果的に際立たせやすくなります。
茶色を加えた調整方法
今回は茶色を取り入れ、クリーム色を更に調節していきましょう。
茶色には赤っぽさもあれば黄色みも含まれており、基本の黄色に混ぜることで、カスタードクリームを思わせるような温かみのある色合いに変化します。
参考となる写真に映っている色は、白と黄色と茶色を比率3:1:0.1で混合して作成したものです。
このようにして生まれた柔らかい色味は、黄色だけでは少し鮮やか過ぎる場合にも適度に抑えられ、他の色との調和を図りやすくなります。
基本のクリーム色に茶色を加えることで、茶色特有の赤みと黄色みをも採り入れることができ、温かみのある色、つまり暖色との相性も申し分ありません。
クリーム色類似色の違いについての解説
このセクションでは、クリーム色に似ている色との差異についてお話ししていきます。
アイボリー、ベージュなどがクリーム色とほとんど変わらないと感じている方も多いかもしれません。
それぞれにどのような特徴があるのかを掘り下げていきましょう。
アイボリーとの違い
アイボリーというのは、実は象牙を指す言葉です。
アイボリーの色は、クリーム色に少しのグレーを加えたような色相をしており、白色に比べてやや明度が低く、自然な雰囲気を醸し出しています。
白色ほどではないが白っぽいというニュアンスを持っています。
例えば、明るい色調を部屋に取り入れたいけれど、純白は光の反射で眩しすぎると感じる場合には、アイボリー色を使うと落ち着いた印象になり、適していることが多いです。
ベージュとの差異について
ベージュとは、クリーム色に比べて一段と色味が強い、軽い茶色のことを指し、黄色みがかった色よりも赤みを帯びていることが多いです。
元々、ベージュという語は染色されていない羊毛の生地を指す言葉でしたが、その後、羊毛の色に似た色味をベージュと称するようになりました。
クリーム色やアイボリー色に比べ、その濃淡から落ち着いた雰囲気を演出することが可能です。
まとめ
クリーム色は、黄色と白のような鮮やかな色の組み合わせですが、想像以上に混ぜやすく、きれいな色を作りやすいため、混色が苦手な方でも気軽に試せる色です。
ぜひ一度、挑戦してみてください。
背景としてクリーム色を用いると、作品はぐっと優しい雰囲気になります。
食事の場面で例えるなら、クリーム色のスープは温かみがあり、心温まるイメージを演出できます。辛さよりも甘さやまろやかさを連想させるアイテムに合わせると良いでしょう。
混色をする際には、筆や水が清潔であることを十分に確認して、理想のクリーム色を作り上げてください。