自然を感じさせる落ち着きと、洗練された都会的な印象をあわせ持つ「オリーブ色」。
この絶妙なカラーは、単なる色彩を超えて、ライフスタイルや価値観までも表現する手段となりつつあります。
ファッション、インテリア、グラフィックデザイン、さらにはデジタルメディアの世界でも、その人気と存在感は高まり続けています。
オリーブ色は、ナチュラルで控えめな色合いでありながら、適切に使えば高級感や安定感をも演出できるため、プロフェッショナルな場面からカジュアルな日常まで幅広く活用可能です。
また、アースカラーとしての性質から、環境への配慮やサステナブルな意識を象徴するカラーとしても注目されています。
本記事では、オリーブ色の成り立ちや特徴をはじめ、色の作り方や他の近似色との違い、さまざまな応用シーンまでを丁寧に解説していきます。
さらに、ファッションやインテリアにおける具体的な使用例や、SNSでの活用法、トレンドとの関係性にもフォーカス。
あなたのクリエイティブな表現において、オリーブ色をどう取り入れるかのヒントやインスピレーションをお届けします。
オリーブ色の作り方
オリーブ色は、落ち着いたアースカラーとしてインテリアやファッションでも人気のある色です。実際の絵の具やデジタルでオリーブ色を作る際は、以下のような配色のバランスを意識しましょう。
● 絵の具でオリーブ色を作る方法
-
ベースとなる色を作る
黄色（レモンイエローやカドミウムイエロー）をベースにします。 -
少しずつ青を加える
青（ウルトラマリンやフタログリーンなど）をほんの少量ずつ混ぜていき、グリーン系に近づけます。 -
赤または茶色でくすませる
最後に、赤やバーントシエナなどの茶色を少量加えることで、彩度を落としオリーブグリーンらしい深みのある色に仕上がります。
● デジタルでオリーブ色を作る方法（RGB/カラーコード）
デザインやWEB制作でオリーブ色を使いたい場合は、以下の数値を参考にしましょう。
-
RGB値：
128, 128, 0 -
カラーコード：
#808000
この数値を基準にして、もう少し明るくしたり、暗く落ち着いた印象にしたりと微調整が可能です。
オリーブ色の利点と用途
オリーブ色は目に優しく、周囲との調和が取りやすいため、空間デザインやウェブデザインにおいても非常に重宝されます。
視認性が控えめで主張が強すぎないため、背景色や補助色として活躍しますが、色の配合次第ではメインカラーとしても使用可能です。
また、ファッションでは季節を問わず使える万能カラーであり、特に秋冬のアイテムと組み合わせることで、季節感を出しながらも洗練された印象を与えます。
さらには、心を落ち着かせる心理的効果も期待できるため、リラクゼーションを意識した空間づくりにも適しています。
近年では、エコや自然素材への関心が高まる中で、オリーブ色が持つ安心感や温かみが改めて注目されており、アースカラーの中でも特に人気の高い色のひとつです。
オリーブドラブの特性
オリーブドラブの色味
オリーブ色よりも暗く、茶色や灰色がかった色味が特徴です。
この色は、黄緑系の鮮やかさを取り除き、より土や泥、森林の影のような自然の深みを表現しています。
くすんだ緑という特性は、派手さを避けたい状況において非常に有効であり、周囲の風景に溶け込むための色としても理想的です。
また、光の当たり方によって微妙に色味が変化するため、深みと表情のある色といえます。
その柔軟な性質から、ミリタリーに限らずインテリアやグラフィックデザインでも活用の幅が広がっています。
オリーブドラブと他の色との違い
カーキよりも深くくすんでおり、黄みが少なく土のような色調が強いです。
ミディアムグリーンと比較すると明度が低く、視覚的に重さと深さを感じさせます。
より無骨で男性的なイメージを持つと同時に、堅実さや信頼感も演出できる色です。
デジタル環境やディスプレイ上では、彩度が抑えられることで柔らかく見えることもあり、ナチュラルさと安定感を両立させる色として注目されています。
他のグリーン系カラーと比べても、視覚的に「静けさ」や「機能性」を連想させる傾向が強く、プロフェッショナルな印象も与える色です。
モスグリーンの作り方
モスグリーンの調色に必要な色
モスグリーンは、自然界にある苔や湿った森のような深みのあるくすんだ緑色です。
この色を作るには、緑をベースに黒と黄色を加えます。
黒を加えることで全体の明度を下げ、落ち着きと重厚感を演出します。
一方で黄色を加えることで、温かみや自然なニュアンスを与えることができます。
さらに、茶色やグレーを少量加えると、さらに深みのあるクラシックな色合いになります。
調色の際には、色を少しずつ加えて希望のトーンに近づけるのがコツです。
モスグリーンを使った塗装例
モスグリーンは、特にアンティーク調の家具やヴィンテージ感を求める空間演出に適しています。
木製家具に塗装することで、自然と調和した落ち着いた雰囲気を演出することができ、特に北欧風や和風のインテリアにもマッチします。
自動車や自転車などの乗り物にもこの色は人気で、クラシックで渋い印象を持たせるのに効果的です。
また、ガーデンアイテムや外壁の塗装など、自然との一体感を出したい場面でも好まれます。
モスグリーンの特性と活用法
モスグリーンは、他の色と合わせやすく、特に木目やアイボリー、ブロンズカラーなどと相性が良いです。
高級感を演出しながらも堅苦しくならず、落ち着きのある穏やかな空間を演出することができます。
ファッションではミリタリーやアウトドア、ナチュラル系スタイルに適しており、バッグやコート、シューズなどのアイテムによく使用されています。
黄緑を加えたオリーブ色の作り方
黄緑の特徴と効果
黄緑は、緑と黄色の中間色であり、明るくフレッシュな印象を与える色です。
生命力や成長、若々しさを象徴し、見る人にポジティブな印象を与えます。
視覚的なインパクトも高く、春や初夏といった新緑の季節を連想させる色でもあります。
黄緑をオリーブ色に混ぜる方法
オリーブ色に少しずつ黄緑を加えることで、全体の明度と彩度が上がり、より明るく親しみやすい印象の色に変化させることができます。
混色比率は、黄緑を1割程度から始めて様子を見るのが基本です。
多く加えると、オリーブ本来の落ち着きが薄れるので、バランスが大切です。
必要に応じて黒やグレーを微量加えることで、トーンを引き締めることも可能です。
黄緑の追加による色味の変化
黄緑を加えると、オリーブ色がやや軽やかになり、春夏向けの配色として使いやすくなります。
若々しく爽やかな印象が強まり、明るい木材やホワイトカラーとの相性が高まります。
植物モチーフのデザインやナチュラルコスメなどにも活用でき、自然な清潔感や健康的な雰囲気を演出するのにぴったりです。
茶色とオリーブ色の混色方法
茶色の持つ色味
茶色は赤・黄・黒の混合によって生まれる自然色であり、温もりと落ち着きを感じさせる色です。
木や土といった自然素材を連想させるため、安心感と安定感をもたらします。
色合いによっては、柔らかく親しみやすい印象から、シックで高級感のあるトーンまで幅広い表現が可能です。
茶色とオリーブ色のバランス調整
茶色を加えることで、オリーブ色により一層の落ち着きと深みを与えることができます。
加える量によって、「ブラウニーオリーブ」や「ダークオリーブ」などのように多彩なバリエーションを表現できます。
特に秋冬向けのファッションや、重厚感あるインテリアに最適です。
調色の際は、最初に小さな比率から加え、徐々に濃さを調整するのがベストです。
茶色を使ったカラーパレットの提案
茶色とオリーブ色をベースにしたカラーパレットでは、ベージュ、生成り（きなり）、ワインレッド、モカグレー、マスタードなどとの組み合わせが非常に洗練された印象を与えます。
ナチュラルな中に高級感や落ち着きを感じさせるため、店舗デザインや家具の配色、秋冬ファッションのスタイリングにも広く応用できます。
深緑によるオリーブ色の調整
深緑の性質を理解する
深緑（ダークグリーン）は濃く重厚な緑色で、成熟や自然の強さ、安定感を象徴する色です。
多くの植物の濃い葉や針葉樹のような色合いで、知的・高級・クラシカルなイメージを持ちます。
深緑の配合比率
オリーブ色に対して深緑を10〜30%加えると、全体の印象がぐっと引き締まり、より落ち着いたシックな雰囲気になります。
深緑の加え方によって、クラシカルな「ダークオリーブグリーン」やモダンでスタイリッシュな「ディープオリーブ」に調整することも可能です。
多く加えすぎると重たくなりすぎることがあるため、用途に応じて慎重に調整することが重要です。
深緑を取り入れたカラースキーム
深緑とオリーブ色の組み合わせは、落ち着いた中にも芯のある印象を与えます。
さらに、ゴールド、アイボリー、バーガンディーなどをアクセントに加えることで、重厚で上品なカラースキームを作り出せます。
インテリアではクラシックモダンな雰囲気を演出でき、ファッションでは知的で洗練された印象を与えます。
オリーブ色をSNSで使う魅力
オリーブ色のトレンド
ここ数年、自然志向やサステナブルなライフスタイルが注目される中で、オリーブ色はその価値観を象徴するトレンドカラーとなっています。
地球や環境を意識したブランドが多くこの色を使っており、ナチュラルさとモダンさを両立させるカラーとしても人気です。
インスタグラムやPinterestでは「#オリーブカラー」「#ナチュラルインテリア」などのハッシュタグで多くの投稿が見られます。
SNSでのオリーブ色の使い方
SNS投稿では、オリーブ色を背景やフィルターに使うことで統一感や落ち着きを演出できます。
特に自然光や木目調のアイテムと合わせると映えやすく、ナチュラルな世界観を強調できます。
また、ライフスタイル系、ガーデニング、アウトドア、エコ雑貨、ヴィーガンレシピなどのテーマとも相性がよく、多様な分野で効果的に使用可能です。
オリーブ色を使った投稿の例
ガーデニングや家庭菜園で採れた野菜の写真の背景色にオリーブを使うと、より新鮮で温かみのある印象に。
ナチュラル素材の雑貨や家具を紹介する投稿にオリーブ色のフィルターを使うことで、ブランドイメージを統一。
ファッション系では、オリーブ色のアウターやワンピースを主役にしたコーデ投稿に、ベージュや白の背景を合わせることで、都会的で洗練された雰囲気に。
まとめ
この記事では、オリーブ色という多面的な魅力を持つカラーについて、その成り立ちや作り方、デザインへの応用方法を幅広く解説してきました。
色彩としての深みはもちろんのこと、心理的・文化的な側面においてもオリーブ色は多くの意味を持ち、さまざまな文脈で活用されています。
自然との親和性や色調の落ち着きから、インテリア、ファッション、商品パッケージ、グラフィックデザインに至るまで、その使い道は非常に多岐にわたります。
また、オリーブ色は視覚的な安心感や安定感を与えるだけでなく、ブランディングやSNS戦略といったマーケティングの分野でも大きな効果を発揮します。
近年ではサステナブルな価値観の象徴色としても注目されており、ナチュラル志向のブランドやプロジェクトに最適な選択肢となっています。
色を扱うプロフェッショナルにとっても、オリーブ色の特性を理解して効果的に活用することは、表現の幅を広げるうえで非常に有意義です。
もちろん、日常の中でちょっとしたこだわりを取り入れたいという方にも、オリーブ色は上品で落ち着いた雰囲気を演出できる頼れるパートナーとなるでしょう。
多様性と汎用性に満ちたこのカラーを、あなたの暮らしや創作活動にぜひ取り入れてみてください。
