灰色は白と黒が混ざった中間色で、明確な色味を持たないため、控えめな印象を与えます。
そのため、他の色を引き立てるのに役立ち、良い脇役とされます。
灰色は、洗練されたスタイルから都市の隅々に見られるような少し汚れた表現まで、さまざまな場面で利用できます。
クレヨンなどでよく使われる灰色ですが、一般的な12色セットの絵の具には含まれていないことが多いです。
しかし最近では、大型スーパーや日用品店で単色の絵の具を簡単に手に入れられるようになりました。
この記事では、基本的な12色セットを使って灰色を作る方法をご紹介します。
グレーの調合方法
ここでは、灰色を作る方法を3つ紹介します。
- 黒と白を混ぜる方法
- 補色を利用する方法
- 赤と青と黄を混ぜる方法
それぞれを詳しく見ていきましょう。
黒と白を混ぜる方法
灰色を作る方法として最初に考えられるのは、黒と白を混ぜる方法です。
黒の割合を増やすと暗い灰色になり、白を多めにすると明るい灰色になります。
黒と白はどちらも無彩色で、鮮やかさや色味がないのが特性。
そのため、この組み合わせで作る灰色は無機質な印象を与えることができます。
また、灰色の濃度を調整するには水の量を調整する方法も。
水で薄めることで異なる表情の灰色を作ることができます。
絵の具の量が多いとマットな仕上がりになりますが、水の量を調整することでニュアンスのある灰色を作り出すことができますよ。
ただし、水を多く使う場合は紙を濡らしすぎないように注意しましょう。
補色を利用する方法
次に、補色を使って混色する方法を紹介します。
補色とは、色相環の反対側に位置する色のことで、色彩理論で使用されているんです。
例として、青とオレンジを1:1の比率で混ぜてみましょう。
補色同士を混ぜると、その補色関係にある色が目に残る残像現象が起こります。
また、補色は隣り合わせに配置すると相乗効果があります。
補色同士は鮮やかな対比を示します。
しかし、絵の具でこれらを混ぜ合わせると、お互いの色味や明るさが中和され、灰色に近づくんです。
鮮やかなオレンジ色がどうして消えるのか、そのメカニズムは不思議ですね。
これは減法混色と呼ばれ、混色するほど色の鮮やかさや明るさが減少し、暗い色合いになる性質があります。
そのため、鮮やかなオレンジ色も青によって打ち消され、色味が消失するのです。
絵の具で混色する場合、完全に灰色になるとは限りませんが、灰色に近い色合いになることがあります。
これは、混色が精密ではなく、どちらかの色味に偏ってしまうためです。
しかし、実際の描画では、少し色味の残った灰色の方が現実の色合いに近く、扱いやすいことがあります。
逆に無機質なデザインを表現したい場合には、黒と白だけで作った無彩色の灰色を使用すると良いでしょう。
赤と青と黄を混ぜる方法
灰色は、赤色・青色・黄色の三色を使っても作ることができます。
これらの色はすべて、他の色の基礎となる色です。
したがって、赤・青・黄(正確にはマゼンタ・シアン・イエロー)を様々な組み合わせで混ぜることで、多彩な色が生まれます。
しかし、色の鮮やかさや明るさは失われ、理論的には最終的に黒に近づくと言われているんです。
しかし、絵の具などで混色する場合は、実際には濁った灰色になります。
これは補色の場合と同様で、絵の具の混色は完全に均一になることが難しく、真っ黒ではなく灰色になることが一般的です。
まとめ
灰色は一般に主役にはなりにくいですが、他の色を引き立てるのにはとても適しています。
例えば、ピンクや水色など少し幼い印象の色でも、灰色と組み合わせると一気にスタイリッシュに見えることがありますよね。
また、灰色は彩度が低く、明るさのみを持つ無彩色です。
そのため、色の鮮やかさを抑えたい場合にも役立ちます。
色味の濃い色に黒を混ぜると暗くなり、白を混ぜると明るくなりますが、灰色を混ぜると程よい落ち着いた色合いに調整できるんです。
さらに、色味のある色に灰色を加えると、黄色味や青みが加わった様々な灰色が生まれるので、自分好みの灰色を見つけるのに最適ですよ。