柔らかくて上品な印象を与える「クリーム色」。
色鉛筆でこの淡い色を表現したいと思っても、「手持ちの色にクリーム色がない！」と悩む人も多いのではないでしょうか。
実は、クリーム色は特別な色鉛筆を買わなくても、白と黄色を組み合わせるだけで簡単に作ることができます。
この記事では、初心者でもわかるクリーム色の作り方や混色のコツ、そして美しく仕上げるための塗り方テクニックを丁寧に解説します。
少しの工夫で、優しくあたたかみのあるトーンを描けるようになりますよ。
絵画やイラストだけでなく、メモやデザインにも応用できるので、ぜひ今日から試してみてください。
簡単にクリーム色を作る方法
クリーム色を作るために必要な色鉛筆
クリーム色を作るには、基本的に白と黄色の2色があれば十分です。
さらに深みを出したい場合は、ベージュや薄茶色を加えることで、よりナチュラルで上品なクリームトーンに仕上がります。
また、淡いピンクやごく少量のオレンジを混ぜると、より温かみや立体感を加えることも可能です。
ブランドによって色味の差があるため、同じ黄色でも発色が異なります。
たとえば、三菱uniはややマットな質感、トンボ色鉛筆は明るく透明感がある仕上がりになります。
高級ブランドのホルベインを使うと、柔らかくのびの良い塗り心地で、自然なグラデーションを作りやすいのが特徴です。
自分の表現したいクリーム色に合わせて、色鉛筆のブランドや組み合わせを選んでみましょう。
初心者でもできる！クリーム色の作り方の基本
- まず白をベースに全体を軽く塗り、紙の白さを活かして明るさをキープします。
- 次に黄色を重ね、徐々に明るさを調整します。筆圧を弱めながら何度か往復させることで、なめらかで自然なトーンが生まれます。
- 色が強すぎる場合は、再度白を重ねて柔らかい印象に整えましょう。反対に、もう少し温かみを出したい場合は、極薄くベージュやオレンジを重ねてもOKです。
重ね塗りの際は、色を一気に塗らず、薄い層を何度も重ねることが大切です。
筆圧を弱めて少しずつ色を重ねるのがポイントで、これによって紙の目をつぶさず、柔らかく光を含んだような質感になります。
ムラを防ぐためには、円を描くように優しく塗ると自然に見え、どの方向から見ても均一なクリーム色に仕上がります。
クリーム色の作り方に使う色の混色
白と黄色で作るクリーム色
最も基本的な組み合わせは白＋黄色です。
白を下地にして上から黄色を薄く重ねると、柔らかく明るいクリーム色が完成します。
ここでのポイントは、白の層を厚めに作り、紙の質感を活かしながら黄色を優しく重ねることです。
黄色の重ね方によって印象が変わり、軽く塗れば淡く透明感のあるトーンに、重ね塗りをすればやや濃厚で温かみのある色合いになります。
黄色を強く塗りすぎるとレモン色に近づくため、白の割合を多めに調整しましょう。
さらに自然な仕上がりを目指すなら、黄味を抑えたい部分にごく薄くピンクやグレーを重ねるのも効果的です。
わずかな色味の変化が、柔らかくリアルな光の表現につながります。
色の比率を調整して理想のクリーム色に
理想のクリーム色を作るには、白7：黄色3の比率が目安です。
ここで大切なのは、紙や環境の明るさによって見え方が変わる点です。
屋内の電球の下では黄色が強く見えるため、白を多めに、自然光の下ではバランスを均等にするとより自然です。
ベージュや薄茶を少し加えると、温かみのあるアイボリー系のクリーム色にもなり、落ち着いた印象になります。
さらに立体感を出したい場合には、ほんの少しオレンジを混ぜて陰影をつけるのもおすすめです。
陰影の部分を丁寧に塗り重ねることで、柔らかい布や花びら、肌のような質感を再現できます。
比率を少し変えるだけで印象が大きく変わるため、練習ノートなどで試し塗りをしながら、自分好みのクリームトーンを探していくと良いでしょう。
色鉛筆でクリーム色を再現するテクニック
リアルに仕上げるクリーム色の塗り方とコツ
リアルな質感を出すためには、塗る方向と重ね方が重要です。
光が当たる部分は白を多めに残し、陰影部分に黄色やベージュを重ねることで立体感が生まれます。
さらに、塗る方向を一定にせず、曲線に沿うように軽く重ねていくと、自然なハイライトと陰影が生まれます。
色の境目をぼかすように、白やごく淡いクリーム色を上からなじませると、プロのようななめらかなグラデーションに仕上がります。
また、紙の質感を活かした“すりガラスのようなトーン”を意識して塗ると、より自然な発色になります。
描く対象によっても塗り方を変えると良く、花びらや布地などの柔らかい質感を出すときは、軽いタッチで空気を含ませるように塗り、金属や陶器のような質感を出したい場合は、方向を揃えて層を重ねると光沢が出やすくなります。
仕上げにティッシュや綿棒で軽くなじませると、ムラが減り一体感のある美しいトーンになります。
おすすめの色鉛筆セットと色の組み合わせ
- 三菱uni色鉛筆：No.2（白）＋No.4（黄色）＋No.31（ベージュ）
- トンボ色鉛筆：No.1（白）＋No.3（レモンイエロー）＋No.29（クリーム）
- ホルベイン：アイボリーホワイト＋ナプルスイエロー＋ペールオレンジ これらの組み合わせで、なめらかで温かみのあるクリーム色を再現できます。また、ホルベインやファーバーカステルなどの高品質ブランドを使うと芯が柔らかく、重ね塗りによる透明感がより出やすくなります。紙の選択も重要で、ざらついた画用紙よりも滑らかなスケッチブックを選ぶと、色の重なりが均一になり、美しい発色を保てます。
クリーム色の応用と活用法
色鉛筆でのクリーム色の効果的な活用例
クリーム色は、光の反射・柔らかい質感・温かみの表現に最適です。
人物の肌、壁の光、花びらなどに使うと自然で優しい印象を与えます。
特にポートレート作品では、頬や鼻筋、手の甲など、光がやわらかく当たる部分にクリーム色を取り入れることで、肌に血色感と立体感を与えられます。
また、動物の毛並みや風景画の空気感を出す際にも、白の代わりに使うことで、画面全体に温もりと統一感を生み出せます。
背景色として使うと他の色を引き立てる効果も高く、濃い青や赤の補色としてバランスを取る役割を果たします。
デザインやイラストのベースカラーとして使用すれば、柔らかく上品な雰囲気を保ちながら、主役の色をより鮮やかに見せることができます。
さらに、手紙の装飾やぬりえ、スケッチブックの背景などにも応用可能で、絵全体に優しさやナチュラルな印象を与える万能色です。
アート作品では、白の代わりに使うことで全体のトーンを和らげ、作品全体を統一感のある穏やかな雰囲気に仕上げることができます。
記事のまとめ
クリーム色は、白と黄色のバランス次第でさまざまな印象を生み出す奥深い色です。
白を多くすれば明るく柔らかく、黄色を強めると温かみのある優しい色合いになります。
さらに、ベージュや薄茶をほんの少し混ぜることでナチュラルな深みを出すことも可能です。
筆圧や塗り方の方向を意識するだけで、プロのようなグラデーションも実現できます。
クリーム色は光・肌・布・背景など、多くのシーンで活躍する万能カラー。
あなたの絵にふんわりとした温もりを加えるために、ぜひ今日から試してみましょう。
色鉛筆の世界が、より楽しく、より表情豊かに広がるはずです。
