紫色は明るいトーンで愛らしく、また深いトーンで神秘的な印象を与える色です。
そのため、仏事などの特別な場面で選ばれることもあります。
さまざまなシーンに応じて多様な表情を見せる紫色を絵の具で作る方法について、どのような色を組み合わせるべきか、皆さんはご存知でしょうか？
実際に紫を作ろうとすると、思ったように色が出ないことで困る人も多いです。
この記事では、絵の具を使って紫色を上手に調合する方法について詳しく説明します。
自分でも最近、紫色を綺麗に作ろうと試みましたが、意外と手間がかかることがありました。
絵の具で紫色を作る手順と課題
紫色の調合に関して、まずは基本的な手順をご紹介した後、絵の具で紫を作る際の難しさについて深掘りしていきます。
紫色には赤みを帯びたものから青みが強いもの、淡い色から濃い色までさまざまなバリエーションが存在します。
この記事を参考に、皆さんが望む理想の紫色を見つけていただければと思います。
紫を作る基本的な方法：赤と青の組み合わせ
紫色を作る一番基本的な方法は、赤と青の絵の具を混ぜることです。
この二つの色が組み合わさることで紫色が誕生します。色相環においても、紫は赤と青の中間に位置しています。
赤と青を同量で混ぜると紫色が生まれますが、時には予想と異なる色になることもあります。
紫色を作る際の難しさ：赤と青の絵の具の混合
赤と青を混ぜても、思い描いていた紫色にならないことがあります。
これは、絵の具の減色混合の性質によるもので、色を混ぜれば混ぜるほど色の明度や鮮やかさが失われてしまいます。
さらに色を混ぜ続けると、色がくすんでしまうことも。絵の具の赤や青には微量の黄色など他の色素が含まれていることもあり、多くの色を混ぜたような効果が出て、結果的に茶色っぽい、くすんだ色になってしまうことがあります。
また、絵の具を洗い流す水の影響も無視できません。
洗い残した水が混ざることで、不純な色が加わる可能性があります。
赤と青はもともと濃い色なので、混ぜ合わせるとさらに鮮やかさや明度が低下しやすくなります。
これらの複合的な要因により、思ったような紫色が得られず、暗い紫色になってしまうことが多く、絵の具で紫色を作ることが難しいと感じられる理由です。
自分で作る美しい紫色の調合術
美しい紫色を自分で作る技術は、さまざまなシーンで活躍します。
例えば、アジサイや藤の花、美しい紫の浴衣など、多用途に役立ちます。
ここでは、美しい紫色をどのように作れるかを詳しく解説します。
白を加えて柔らかなパステル紫を作る
以前に赤と青の組み合わせで紫を作る方法を説明しましたが、ここでは新たに白色を加える手法をご紹介します。
白を加えることで色の鮮やかさを抑えることができ、その結果、柔らかなパステル調の紫が作れるようになります。
この方法で、愛らしいパステル紫を表現することができます。
白の量を調節することによって、より淡い紫や逆に濃い紫を作ることもできます。
もっと落ち着いた雰囲気を出したい場合は、灰色を加えることをおすすめします。
白を加えただけの色よりも、より落ち着いたくすんだカラー、アッシュパープルを作り出すことが可能です。
例えば、髪の毛を塗る際にこのアッシュパープルを使うと、とても洗練された印象を与えることができます。
紫色の赤と青のバランスを調節してみる
紫色には、赤みを帯びたタイプと青みを帯びたタイプがあり、それぞれが全く異なる印象を与えます。
基本的な紫色は赤と青を1:1で混ぜることから始めますが、赤を増やすことでより赤みが強い紫が、青を増やすことで青みが強い紫が作れます。
赤みが強い紫は、紫キャベツや紫玉ねぎの色合いに似ており、青みが強い紫はスミレや藤の花の色に近くなります。
赤と青の配合比を変えるだけで、紫の色合いに大きな変化を与えることが可能です。
紫色の明るさや透明感を調整する技術
紫色の明るさや透明感を調整する際には、水を利用します。
絵の具を水で薄めることで、彩度を保ちつつ透明感のある紫色を表現することができます。
ただし、塗る紙の色が白以外の場合は紙の色によっては思ったような色にならないこともあるので注意が必要です。
水分が多い場合は紙が波打つことがあり、ペイントが剥がれやすくなる可能性もあるため、塗る前に余分な水分を布で軽く吸い取ると良いでしょう。
これは紙の痛みを防ぐのに役立ちます。
紫色作成のまとめ
美しい紫色を作成できましたか？紫は本来暗く濃い色ですが、その美しさを引き出すには白や灰色を加えて色を薄めたり、水を使って透明感を出す方法が効果的です。
さらに異なるニュアンスを加えたい場合は、黄色や茶色を混ぜて影を表現するのに役立てることができます。
緑を加えると色に深みが増しますが、緑と紫は反対色であるため、混ぜすぎると色が濁ることがありますので、アクセントとして少量を加えることをお勧めします。
紫は伝統的に高貴な色とされており、エレガントなイメージがあります。
青みが強い紫は鎮静効果があるとされ、集中力を高める効果も期待できます。
日本の長い歴史の中で、紫は非常に高貴な色とされてきました。
そんな風格ある紫色を、あなたの好みに合わせて調合してみてください。
